高速バス 遅延の原因と返金についてお答えします

公開日:2016/1/28

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トンネル渋滞

飛行機や鉄道よりもはるかに安価で移動できる高速バス(夜行バス)。
しかし陸路ゆえに予期せぬ遅延も発生する。 いったいどれくらいの頻度で発生するのか、そして遅れる場合はどれくらいの時間がかかるのか。
全国百社を超えるバス会社の実績から、過去の経験をご紹介していこう。

≪目次≫

1.高速バスの遅延はどれくらいの頻度で発生するのか

2.渋滞・遅延・運休の要因と、起こり易いエリア
2-1.台風
2-2.雪害
2-3.強風
2-4.交通渋滞

3.高速バスが遅延した場合、どれくらい時間が遅れるのか

4.どんなときに返金となるのか
4-1.バス遅延の場合
4-2.バス運休の場合
4-3.他の交通機関が遅れ、バス乗車時間に間に合わなかった場合

5.高速バスに乗らないという選択

 

高速バス各社に設置されている予約センターでも、かなりの頻度を占めている運行状況に関する問い合わせ。
このトピックでは、高速バスの『遅れ』が “どれくらいの頻度で”、“どれくらい遅れて” 、“どうして”発生するのかをご案内します。
また、不幸にも遅れてしまった場合、返金はあるのかといった疑問にもお答えいたします。

1.高速バスの遅延はどれくらいの頻度で発生するのか

そもそも 高速バスの遅延は良くあることなのでしょうか。
ご安心ください。 昼行、夜行含め、都市間バスのほぼ9割、10台中9台以上は遅れることなく目的地に到着しています。
さすが世界的に見ても、日本の交通機関の正確さは伊達ではありません。

むしろ予定より早く到着するケースも多いです。
(その場合は、途中のサービスエリアなどで時間調整うこともございます)

もし遅延が起きてしまっても、原因はある程度予測できるのです。
それは『季節要因』と『外的要因』に大別することができます。
この2つが遅延の80%以上を占めます。
残り20%が予測困難な『外的要因』。

では、これらの要因について詳しくご説明していきましょう。

2.渋滞・遅延・運休の要因と、起こり易いエリア

まずは『季節的要因』。 高速乗合バスの多くが、主な移動に高速道路を利用しています。
高速道路は台風や強風、また大雪になると通行止めになる場合がり、こうなると一般道を走行せざるを得ない。
これが高速バスの運行を妨げる最大の要因なのです。

2-1.台風

遅延の要因となる『季節的要因』の中で一番多いのが台風の通過。
上陸した地方、また台風の進路上にある高速道路は、通行止めになることを覚悟しておきましょう。

台風のシーズンは6月中頃から始まり8月、9月がピークとなり10月には収束します。
よって6月~9月に高速バスを利用する方は気象状況に注意が必要です。

台風による遅延が起こりやすいエリアですが、これは当然ながら台風の進路が関係してきます。
台風は南洋の熱帯地域から北上するため、おのずと上陸場所は限られてきます。
比較的多いのが鹿児島、宮崎、大分、高知、徳島、香川、愛媛、和歌山、三重。

これら太平洋側の地域が絡む高速バスは危険性が高まりますが、 台風の進路上にあたる内陸部も通行止めになる可能性があります。
シーズン的な予測はできるものの、実際は台風の上陸ルート次第ということですね。

バス運行会社側では、台風の時期になると日々天気予報に注意を払っています。
台風が接近すると、予測ルートと規模から運休を決定されるケースもあります。
運休決定のタイミングは、早いバス会社様だと丸1日前には通知が来ます。
しかし多くは高速道路が通行止めにならない限りは通常運行に努められるため、 最終的には高速道路を管理運営する『NEXCO』の決定次第ということになります。

2-2.雪害

遅延の要因となる『季節的要因』の中で、台風に次いで多いのが雪による遅延。
予測しづらい台風に比べ、降雪地域はある程度予測することが可能で、 豪雪地帯を通行するバスは冬になるとタイヤなどを耐雪仕様に変更して対応します。

そのため、台風ほど遅延が発生する可能性は低いのですが、大寒波の到来など予想外の事態が起き、 都市部が雪に見舞われると、一瞬で交通はマヒしていまいます。
大都市ではチェーンやスタッドレスタイヤに慣れていない一般車両も多く、事故を回避しようと早々に高速道路が通行止めとなります。
遅延ならまだしも、バスの運行自体が中止になるという危機的状況に陥ってしまうからです。

雪による渋滞

※速度50km規制などの要因で渋滞もしばしば。大幅な遅延につながります。

 

特に高知自動車道や松山自動車道のように片側一車線通行の高速道路だと通行止めになりやすい傾向にあります。
また、通行止めになるケースは稀ですが、滋賀県の米原-彦根エリアも豪雪地帯として有名です。

雪による通行止め

※四国や九州の北部も予想外に雪の影響を受けます。冬の時期に旅行計画を練る際はご注意を

  2016年1月中旬に西日本を襲った爆弾低気圧は記憶に新しい所でしょう。
雪害では予期せぬ都市部へ深刻な打撃となります。

 

2-3.強風

風で遅延することってあるの?
実はあるんです。
これはほぼ注意しなければいけないエリアが限定されています。

何かというと『橋』なのです。
神戸と淡路島を結ぶ「明石海峡大橋」、淡路島と四国をつなぐ「大鳴門橋」、四国と岡山にかかる「瀬戸大橋」、そして四国と広島を島伝いに通行する「しまなみ海道」です。

瀬戸内海にかかるこれら大橋では、海上から吹き付ける風の存在が脅威となっています。
特に徳島と淡路を結ぶ「大鳴門橋」は風速25mを超えると通行止めとなり、四国を行き来する人の悩みの種となっています。

強風は台風の時とセットと考えられるかもしれませんが、風速25mクラスは台風ほどの猛威でなくても発生します。
そのため、時期的にも春終わりから冬の始めまで注意が必要な『季節的要因』といえるでしょう。

2-4.交通渋滞

続いては『外的要因』です。
ほとんどは交通集中によるもので、つまりは渋滞による遅延です。
大局的には、移動が多くなる年末年始、ゴールデンウィーク、お盆といった帰省シーズンに発生します。

しかしそうでなくても、週末であったり、朝夕の通勤時間に重なって慢性的な渋滞に悩まされるエリアがあります。
有名なところでは(関東)中央自動車道の八王子市と相模原市にかかる“小仏トンネル”付近、 (関西)中国自動車道の“宝塚トンネル”付近の2か所が挙げられるでしょう。
どちらも坂道になっており、ブレーキを踏む頻度が高く、結果としてスピードが落ち渋滞につながります。

トンネル渋滞

※中国自動車道の宝塚西トンネルは渋滞多発の要衝。平日でもご覧のとおり車列ができる。

ただ夜行バスの場合は交通量の少ない時間帯の通行になるため、自然渋滞による遅延は稀でしょう。
昼行バスの場合も、渋滞による遅延を見越しての運行計画を立てているので、予定より遅れることは少ないです。

 

3.高速バスが遅延した場合、どれくらい時間が遅れるのか

できれば経験したくない高速バスの遅延ですが、もしそうなっていまったら、いったいどれくらいのロスとなるのでしょう。
遅れても1時間以内というケースは良く聞きます。
しかしこれが2時間を超えると、『季節的要因』が原因である可能性が高いです。

高速道路が閉鎖になり、一般道で迂回するようなケースが考えられます。
移動中に道路閉鎖に見舞われると、3~4時間の遅延は覚悟しなければなりません。

東北方面や北陸方面は雪などに慣れているため、急な降雪などにも対処できますが、 中国方面を通過する東京⇔広島、名古屋⇔福岡などでは特に注意が必要です。
過去の例では8時間~12時間バスに缶詰め状態になったという話もあります。
東京⇔広島のように、そもそもの距離が1,000kmあるような路線だと、定刻到着でも11時間かかる移動です。
更に遅延が加わると、バス車内に20時間・・・といった事態にもなりかねません。

高速道路の渋滞

※大型連休中に事故渋滞が発生すると、20km以上の渋滞もしばしば。

 1項でも前述したように、バスは余裕を持った運行スケジュールとなっているため、むしろ早く到着する場合もあります。
バスの遅延はあくまで可能性の問題として、意識しておきましょう。

 

4.どんなときに返金となるのか

この項では遅延や運休などに対する払い戻しについてご案内いたします。
全てが全て返金対象ではないため、条件を良く確認してみましょう。

 

4-1.バス遅延の場合

不幸にしてバスが遅れてしまった場合、果たして返金はあるのでしょうか。
残念ながら答えは「ノー」です。

高速乗合バスは、全て道路運送法に基づき運行経路を国土交通省に届け出をしております。
この法律では許可された区間に限り運賃を収受することができるのですが、時間に関する規則はございません。
簡単に言えば、A地点からB地点まで運送する限り、予定の時間を大幅に遅延したとしても違反にならないということ。
バスが運行している限りは、たとえ途中離団したとしても、それはお客様ご自身の意思での行動ということで、返金対象ではありません。

これが鉄道などの『特別急行券』通称:特急券として、別途費用をお支払いしている場合は異なります。
この場合は通常運賃に加え、早く到着できる権利をお金で買っているため、大幅な遅延が発生した場合は、最低でも特急券分の費用は返金される可能性が高いです。
(高速バスでは、道路交通法から制限速度以上のスピードを出すことができないため、特急券のような券種はほぼ存在せず)

バス発券窓口

※荒天などで運行ダイヤが狂うと、チケット発券カウンターは問い合わせで大混雑となります。

 

4-2.バス運休の場合

予約していたバスが運休となった場合は、返金対象となります。
運行自体が無くなると契約不履行になりますので、バス事業者はお客様にいただいた費用を返金する義務があります。

移動中に運行が困難になって引き返したり、途中でバスを降りなければならなくなった場合も、目的地まで運送できなかったということで返金対象となります。
ただし、返金対象となった場合でも、バス会社側に落ち度(車両故障など)がない限りは、代替交通を案内されることはないと思っておきましょう。

 

4-3.他の交通機関が遅れ、バス乗車時間に間に合わなかった場合

あいにく返金対象とはなり得ません。
新幹線が定刻に出発するのと同様に、バスも時刻になると出発してしまいます。
乗車地までお越しになる手段はお客様自身の選択の結果であり、バス会社に過失はありません。
同じバス会社の後続便がある場合、それに乗せていただけるケースはあるかもしれませんが、費用自体を返還することはないのです。

余談となりますが、鉄道などで乗り入れ線が遅れていると、定刻を過ぎても待つことがあります。
これは運行会社が同じ、もしくは共同運行している会社同士だから可能なわけで、系列でもない別会社の交通機関が遅れても、それはバス会社には与り知らぬことになります。

鉄道各社が発行する遅延証明書を持っていても、それがバス料金返還の効力には足り得ません。

公共交通機関

※荒天時は往々にして他の公共交通機関も遅延する。早めの移動を心がけましょう。

 

5.高速バスに乗らないという選択

空路や鉄道と異なり、陸路となるバスでの移動には、何かとイレギュラー自体が起こりがち。
そのため、時間に追われている方にはおすすめできません。

最低でも到着したその日に予定を入れるのは避けましょう。
特に以下のような方は要注意です。

・冠婚葬祭に参加するために乗車 ハレの日のために夜行バスで移動。
そのバスがもし遅れたら・・・。

・受験会場に行くために利用
人生を左右する受験に、バスを使うのは危険度MAX。
これまでの勉強がパァになりかねません。

・その日のうちに飛行機に乗り継ぐ
楽しみにしていた海外旅行。
まさかバスが遅延するなんて・・・。
旅行費をバス会社に請求してやるッ ⇒バス会社に落ち度はありません。
到着したその日に飛行機を使う場合のバス利用もご法度です。

 

いかがでしたでしょうか。
ここに挙げたのはあくまでも一般的な範囲での紹介です。
バス会社さんによっては公共交通機関の遅れを考慮して返金に応じてくれるかもしれません。
あるいは別の移動手段を工面してくれる場合もあるかもしれません。

そういった取り計らいは、そのバス会社さんの善意なのです。
金を払っているのだから何とかしろと、お客様は神様と言わんばかりの声高な主張をされる方もいると聞き及んでおりますが、遅延や運休の8割は不可抗力の産物です。

バス会社もできるだけ安価に、それでいて安全にご乗車いただけるよう自社サービスに努めておられます。
陸路である以上、高速バスに遅延はつきもの。 そう考えて、交通手段を使い分けていきましょう。

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