バスで行く名古屋から京都！かかる時間と料金の実態リポート

名古屋⇔京都間の交通手段といえば、代表的なのは新幹線。でも、往復1万円以上かかるのは正直厳しい、という人は少なくないはずです。
そうして考えていくと「高速バス」という案も出てきますが、実際のところ、高速バスはイメージ通り安いのでしょうか。
調べてみると、運賃は片道2,000円台がほとんど。なんとなくバスって不便なイメージという人もいるかもしれませんが、名駅や京都駅以外からも乗り降りできて、意外と便利な面もあります。

★京都発・名古屋行きのバス情報はこちら★
京都から名古屋へはバスで行く！料金・ダイヤ・乗り場ガイド

ここでは、全国の高速バスの中でも【名古屋発・京都行き】だけにしぼった情報を集めてみました。「次の京都行きは高速バスにしようかな」と思った方、新幹線かバスか悩んでいる方、参考にしてみてください。

【1】支持される理由は安さ！片道平均2,500円で新幹線の半額以下

【1-1】年々安くなっている理由

交通手段	区間	料金
高速バス	名古屋駅⇒京田辺	片道￥1,440(割引運賃)～￥2,550(定価)
高速バス	名古屋駅⇔京都駅	往復運賃￥4,100（片道￥2,050）
高速バス（夜行）	名古屋駅⇒京都駅	片道￥2,530(割引運賃)～￥2,550（定価）
JR在来線・近鉄普通電車	名古屋駅⇒京都駅	片道￥2,590
新幹線	名古屋駅⇒京都駅	片道￥5,050

片道2,000円という便が出るほど、ここ数年で安くなってきた名古屋・京都間の高速バス。その背景には、運行するバス会社の増加があります。
規制緩和などさまざまな流れもあって、JR・近鉄・名鉄といった古くからの電鉄系バス会社のほか、旅行会社から生まれたWILLER EXPRESSなどさまざまな会社が運行開始。会社ごとに料金形態が異なったり、座席の快適性を向上させた車両が生まれたりし、格安の料金設定も増えてきました。

【1-2】さらに安く乗れる方法3つ

往復割引、回数券、予約サイトのポイント制度……もともと格安の高速バスですが、さらに安く利用する方法があります。
安さにこだわるなら、使える割引方法がないかまずはチェックしてみましょう。

【1-2-1】学割・回数券

学割は学生の間だけ得られる大きなメリット。ネットやカウンターで購入する際に選択できます。
また、利用しやすいのが回数券。回数券は4枚つづり・3か月利用可能というパターンが多く、

・2名で往復する
・4名で出かける
・3か月以内に2回往復する

……これらに該当するなら、使わない手はありません。ただし乗車時ではなく、主要駅に設置されているカウンターなどで事前購入が必要なのでご注意を。

＜名神ハイウェイバス＞名古屋駅⇔京都駅間の場合…
【一般大人】2,550円
【学割適用】2,040円
【回数券　】1枚当たり2,050円(4枚つづり8,200円)

＜ほの国号＞豊橋駅⇔京都駅の場合…
【一般大人】3,500円
【回数券　】1枚当たり3,000円(4枚つづり12,000円)

【1-2-2】ネット予約でポイントを貯める

高速バスの予約サイトには、会員になるとポイントが貯まるところがあります。京都以外にも行く方、ネットショッピングをする方は要チェック。

★予約サイト別ポイント制度

予約サイト	掲載便	還元率
高速バスドットコム	ほの国号・名古屋特急ニュースター号・WILLER EXPRESS	2%(ただし豊鉄バス・大阪バスは対象外)
楽天トラベル高速バス	名古屋特急ニュースター号・WILLER EXPRESS	楽天ポイント1%
じゃらんnet	名古屋特急ニュースター号・WILLER EXPRESS	リクルートポイント2%

【2】安くても乗らない人の理由

せっかく高速バスを利用するなら、リスク、デメリットもわかったうえで、安心して利用したいもの。安さは確かに魅力的ですが、「今回の移動に高速バスは合わないかも」「こういうときはちょっと不便」という場合もあります。

【2-1】時間がかかる

高速バスは、新幹線よりも片道あたり約2,500円安いものの、約2時間長く移動に費やすこととなります。

＜高速バスの場合(名神ハイウェイバス利用時)＞
通常料金2,550円、所要時間2時間15分～30分　※便ごとの経由地数によって所要時間に差あり

＜新幹線の場合(のぞみ利用時)＞
通常料金5,070円、所要時間35分

1時間あたり1,250円――時給制のアルバイトをしている方は、働いて旅費を稼ぐより、バスの中でお昼寝したり本を読んだりするほうが楽で効率的かもしれません。しかし、自由時間が限られている方にとっては、2時間は貴重。

さらには、事故渋滞や大雪による速度規制で、もっと時間がかかる場合もあります。新幹線であれば、遅延はほとんどなし。高速バスに乗るか乗らないかで、もっとも意見の分かれるところです。

【2-2】本数が少ない

新幹線であれば、時間帯にもよりますが名古屋駅へ行けば10～15分に1本は出ています。しかし高速バスでは、名古屋駅前発にかぎると、1時間に多くて数本、時間帯によってはゼロ。「予定を済ませてから移動するので、何時に乗れるか分からない」「待ち時間はいやだ」という方の場合、都合がつかないかもしれません。

【2-3】予約がよくわからない、面倒

チケットはどこで買うのか、いつまでに買う必要があるのか、いくらくらいかかるのか、もし予定が変わったらどうしよう。高速バスを普段あまり使わない方にとっては、意外とわからないことが多い高速バス。考え始めると、新幹線のほうが分かりやすいように感じるかもしれません。

★参考記事★
高速バスの予約前におさえたい！後悔しない予約サイトの選び方

【3】名古屋発⇒京都着の所要時間・運行時刻

長距離移動で気になるのはやはり時間。いつ出発して、どれくらいかけて、いつ着くのかをここでおさえておきましょう。

【3-1】所要時間は約2時間半

乗り降りする停留所にもよりますが、基本的には片道2時間～3時間ほどです。

便名	区間	時間
名神ハイウェイバス(京都特急213便)	名古屋駅⇒京都駅	約2時間35分
名神ハイウェイバス(大阪超特急3便)	名古屋駅⇒京都深草	約2時間
WILLER EXPRESS(W807便)	名古屋駅⇒長岡京	約2時間20分
名古屋特急ニュースター号(名古屋2便)	名古屋駅⇒高速京田辺	約2時間
ほの国号	豊橋駅⇒京都駅	約3時間35分
ほの国号	豊橋駅⇒京都駅	約3時間

【3-2】午前発…始発は6時台から

京都駅に最も早く着くのは名神ハイウェイバスの7:30～9:44。その他の京都府内各地にも10時半ごろまでに到着します。

【3-3】午後発…当日中に着くなら最終は19時台

京都駅に最も遅く着くのは名神ハイウェイバスの18:10～21:44。深草到着であっても19:30発が最終便となります。

【3-4】深夜発…始発の新幹線より早く着く夜行バス

とにかく朝早く、かつ安く着きたいなら夜行バスという手もあります。深夜に名古屋を出て、翌朝早くに京都着。新幹線の始発6:55着よりも早く、最も早く到着できる交通手段といえます。ただし、所要時間が日中の便より長くなりますし、京都駅へ行きたい場合は、京都府内の電車移動が必要です。

＜最も早い時間に京都駅へ着く移動の流れ＞
23:00名古屋駅前で「青春大阪ドリーム名古屋1号」に乗車
▼
5:09バス停「京都深草」に到着。「京阪藤森駅」へ移動(徒歩10分)
▼
5:30「京阪藤森駅」から京阪本線で「東福寺駅」へ(6分)
▼
JR奈良線に乗り換え
▼
「東福寺駅」から「京都駅」へ(2分)
▼
5:46「京都駅」へ到着

【4】名古屋・京都間のおもな停留所

【4-1】名古屋近辺の高速バス乗り場・降り場

【4-1-1】乗り換え便利な「名古屋駅」

ほとんどの便が名古屋駅周辺から乗車できます。名駅を出てすぐ、あるいは数分の距離で便利。
ただし、出口によっては名駅についてから歩く時間が多くなります。とくに名駅の中でも端にあたる名鉄線や近鉄線でお越しの方は要注意。地図を確認して、タイムロスのない移動ルートを考えておくと安心です。

★主要なバス乗車地・集合場所の紹介記事はコチラ
名古屋駅太閤口(西口) ゆりの噴水前
 名古屋南笹島ライブ
 名鉄バスセンター

【4-1-2】駐車場の用意も！「豊川」「豊橋」「岡崎」

ほの国号(豊鉄バス)では、豊橋市内と豊川市内に複数のバス停を用意しています。
さらにうれしいのが、パーク&ライド、つまりマイカーでバス停まで行き、バス停近くの駐車場へ車を預けてバスに乗れるサービス。植田車庫前(豊橋市‎植田町‎八尻)および豊川駅前バス停で実施されています。
ただし駐車場は予約制。高速バスの予約後、予約窓口へお問い合わせください。

・植田車庫前(豊鉄バス本社・豊橋営業所前。愛知県豊橋市植田町新津田6番地)
・豊橋駅前 (JR・名鉄豊橋駅前のバスロータリー内)
・豊川駅東口(JR豊川駅すぐ)
・東名豊川（豊川市麻生田町／豊川インターチェンジ内）
・東名音羽（愛知県豊川市／東名高速道路本線上）
・東名本宿(愛知県岡崎市本宿町／東名高速道路本線上)

【4-1-3】意外！「栄」はわずか1便のみ

栄にもバス停はありますが、京都行きはほとんど経由していません。2014年8月現在では、WILLER EXPRESSの夜行バスが1便のみ発車しているのみ。名駅まで電車で約5分の距離ですので、そちらを利用することになりそうです。

栄（愛の広場前）※LACHIC向かい

【4-2】京都府内の高速バス乗り場・降り場

【4-2-1】なにかと便利な「京都駅」

名鉄バスは京都駅の北側(京都タワー側)、豊鉄バスは南側(八条口)側です。
いずれも駅から徒歩すぐで便利。
【利用できる路線】名神ハイウェイバス、ほの国号(豊鉄バス)

【4-2-2】大学生に人気「深草」「京田辺」「長岡京」

京都郊外にお住まいの方、とくに大学近くで一人暮らしをしている大学生の方はこちらを要チェック。京都駅まで出るより早いかもしれません。

■高速長岡京(阪急西山天王山駅・東口からエレベーターで直結)
【利用できる路線】WILLER EXPRESS(WILLER TRAVEL)

■高速京田辺
(京田辺パーキングエリア内。片町線「松井山手駅」から徒歩10～15分)
【利用できる路線】名古屋特急ニュースター号(大阪バス)

■京都深草
京阪本線「藤森駅」から徒歩約6分。近鉄京都線「竹田駅」徒歩約13分
【利用できる路線】名神ハイウェイバス、ほの国号(豊鉄バス)

【5】予約から乗車、京都に着くまでの流れ

【5-1】予約方法

【5-1-1】ネットで予約する

事前に料金や時間などを比較して予約することができます。事前支払いが必要なことが多く、もしキャンセルとなるとキャンセル料がかかることも。

予約サイト	予約可能な便	ポイント還元率
高速バスドットコム	ほの国号・名古屋特急ニュースター号・WILLER EXPRESS	サイト内で利用できるポイント2%(ただし豊鉄バス・大阪バスは対象外)
楽天トラベル高速バス	名古屋特急ニュースター号・WILLER EXPRESS	楽天ポイント1%
じゃらんnet	名古屋特急ニュースター号・WILLER EXPRESS	リクルートポイント2%
WILLER EXPRESS	WILLER EXPRESS	サイト内で利用できるポイント1%+Pontaポイント0.5%
発車オ～ライネット	名神ハイウェイバス・名古屋特急ニュースター号・ほの国号	なし

【5-1-2】コンビニ端末で申し込む

大手コンビニの店内にある端末を操作し、レジで支払う方法です。
端末は、ローソンの「Loppi」、ファミリーマートの「Famiポート」、セブンイレブンの「マルチコピー機」など、ほとんどの店舗に設置されています。

予約から支払い、発券まで一度に完結できますが、ネット予約などと比べて、便の情報が少ないケースが多いようです。

【5-1-3】バス会社のカウンターで直接購入する

名駅周辺で購入できます。
・名古屋駅太閤通口を出てすぐ「JRハイウェイバス切符売り場」
・名鉄百貨店メンズ館3階の「名鉄バスセンター」

【5-1-4】そもそも予約しない

事前にお近くのバス停掲示の時刻表や予約サイトで運行情報を確認。
直接出向いて、乗車時に乗車券を買うという方法です。
名古屋・京都間は満席になることは少ないものの、多客期には予約でいっぱいということもあるのでご注意を。場合によっては、急きょ新幹線や特急での移動に切り替えるか検討することになります。

【5-2】通るコース、休憩SA・PA

多くの場合、約2時間半の行程で、1回の休憩をとります。休憩時間は10分～20分。休憩場所へ到着時、「◎時◎分に出発します」といった予定がアナウンスされるので、必ずご確認を。このあいだに、トイレへ行ったり、ジュースを買ったり、ご当地グルメを楽しんだりしましょう。

【5-3】もしも渋滞が起きたら

【5-3-1】渋滞は多いのか、少ないのか

約2時間半で移動できる距離なので、他の7～8時間かかる高速バス路線よりは、大きく遅れるケースは少ないです。
ただ、一般車と同じ道路を走る以上、やはり渋滞にあわないとは限りません。お盆の帰省ラッシュ時の渋滞は少ないものの、下記のようなケースがありえます。

・大雪による速度制限、通行止め(多いのは12月～2月)
・事故による渋滞

【5-3-2】渋滞、そのとき運転手はどうするか

このようなときは、プロである運転手が、対策を考えます。そのまま渋滞を抜けるまで進む場合もありますが、ルートを変更したり、下道を通っていったりします。通行止め＝運休とはなりませんので、その点はご安心を。

【6】約2時間半の移動を快適に過ごすポイント3つ

【6-1】SA・PAで気分転換

休憩時間に立ち寄るサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)は、地域によって特色があってなかなか楽しめます。

通るルート・休憩場所は、便によって違います。
たとえば、同じ「名神ハイウェイバス」でも、「超特急」と「特急」とでもルートは異なります。
「超特急」は新名神を経由し、甲南パーキングエリアで10分休憩。
「特急」は名神を経由し、多賀パーキングエリアで10分休憩となります。

ルートが違えば、見える景色も、休憩SA・PAで出会うご当地グルメも違います。行きと帰りで乗るバス会社を変えてみるのも楽しいかもしれません。

バス会社や予約サイトにきけば、ルートや休憩SA・PAを教えてもらうことができます。
ただし、道路の渋滞や交通規制などによって、急きょルートを変えることもありますので、ご容赦を。

【6-2】テレビやゲームができる高性能バスを選ぶ

一人ひとりの座席に、モニターとゲーム用コントローラーを用意。そんなちょっと変わったバス車両が、「WILLER EXPRESS」の「シアター」という車両です。

＜シアターで楽しめること＞
・映画(隠れた名作から、誰もが知っているハリウッド大作まで。作品は定期的に入れ替え)
・地上波テレビ(フジテレビ系列 / テレビ朝日系列 / TBS系列)
・テレビゲーム(SEGAの懐かしいレトロゲームが多数。シンプルなルールなので初めてでもOK)
・オーディオブック(書籍をプロが読み上げてくれます。目をつぶっていても本の内容を楽しめます)
・音楽(インストゥルメンタル中心で、約100分相当の曲をご用意)

【6-3】ゆったりシートで昼寝タイムに

約2時間半という移動時間は、まとまった休憩時間として活用できます。オススメなのは、少し広めのスペースで過ごせる「4列のびのびシート(ゆったりシート)」を選ぶこと。「WILLER EXPRESS」と「ほの国号」で利用できます。

多くの名古屋⇔京都間は「4列シート(スタンダード)」と言われる座席配置になっています。これは横4列×縦11列が基本的な座席配置であり、遠足などで使った観光バスをイメージしてもらえると近いかもしれません。

一方で「4列のびのびシート(ゆったりシート)」は、横4列×縦9～10列。
列が少ない分、1列ずつの間隔が広く、足を伸ばしやすい構造になっています。男性や背の高い女性は、かなり居心地良く感じるかもしれません。なお、乗車代金は500円前後高くなる傾向にありますが、平日など空いている日はほとんど料金差がないというケースもあります。

■4列シートの車内