WILLER EXPRESS「ラクシア」普通の高速バスとどう違う?徹底検証

公開日:2018/6/30

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高速バスに乗ろうと思うけれど、安ければなんでもいいワケじゃない。
そんな人にとって、候補になる高速バスの一つが、WILLER EXPRESSの「ラクシア」です。

WILLER EXPRESSは、日本最大級のバス会社。高速バス・空港バスあわせて22路線299便を運行(2018年3月末時点)し、200台を超えるバス車両を保有しています。そのほとんどが、かつて遠足などで乗った”普通のバス”よりシートや車内設備にこだわった、ワンランク上のバス。

「ラクシア」は、そんなWILLERのバスの中でも、高級車両に位置します。

でも、”高級”ってどうすごいの?料金が高くなるだけの価値はあるの?

納得して予約するために知りたい、「ラクシア」の強み(そして弱み)をここでは徹底検証します!

=目次=

【1】1分でわかる!そもそも「ラクシア」とは

ラクシアの基本情報をまずはまとめて見てみましょう!

  • 高速バス大手、WILLEREXPRESSが運行するバスの一種
  • 比較的新しい車両タイプ(2016年秋に運行開始)
  • 全席3列独立シート
  • 一人当たりのスペースが広い(全24席。普通のバスは約44~48席)
  • コンセントや座席間カーテン、特別に開発されたクッション配備など工夫がたくさん
  • 車両内にトイレは無し
  • 運行区間は2区間。
    関東(東京・横浜・川崎・千葉)⇔関西(大阪・京都)
    関東(東京・横浜・川崎・千葉)⇔東海 (名古屋・浜松)
  • 料金は平均的な夜行バスよりやや高め。
    関東⇔関西で8,600円~12,400円、関東⇔東海で6,700円~9,700円(大人通常料金) ※2018年5月現在※

最近の高速バスで人気のある設備が、ほぼすべて取り入れられています。
“格安”とは言えませんが、”ちゃんと寝たい!” ”次の日、元気に行動したい!”という方にはピッタリ。もう少し詳しくみていきましょう。

【2】普通のバスとどう違う?11項目で比較してみた

高速バスに乗りなれていない方には、”ラクシアは快適!”と言われても、ピンとこないかもしれません。
そこで、一般的で格安な高速バスと見比べてみたいと思います。

【2-1】スタンダード格安バスとの比較表

高速バスの中で多いのは、「4列シート」「スタンダード」とも呼ばれる、観光バスタイプ。
遠足などで乗った、真ん中に通路(補助席になることも)があって、左右に2席ずつあるあのバスです。

WILLER EXPRESSでも、この4列シートタイプが「スタンダード」タイプという名称で運行されています。下記は「スタンダード」と「ラクシア」がどう違うのか、比較した表です。

内容 ラクシア スタンダード
座席数 24席 約44~48席
座席配置 横3×縦8 横4×縦11~12
隣席との距離 完全分離 肘置きごしに隣接
リクライニング最大角度 146° 120°
前後シート間隔 116cm 約75cm
シート幅(座席の横幅) 座面51.5cm肘置含め57cm 約42cm
座席間カーテン あり 無し
コンセント あり 無し
フットレスト あり 無し
レッグレスト 無し 無し
東京⇔大阪間の料金 8,600円~12,400円 3,900円~8,300円

分かりやすいのは、一人当たりの広さと料金ではないでしょうか。
普通44~48席あるところ、ラクシアは24席。単純計算で、一人当たり約1.6倍の広さ!
とくにシートの前後間隔の広さからくる足元のスペースは、楽な姿勢をとりたい車中泊でありがたいところ。

近年人気の設備であるコンセントや、定番設備であるドリンクホルダーは、椅子の下部に用意されています。

また、ひじかけにはドリンクホルダー付きテーブルが(写真を撮り損ねてしまった……残念!)。
かばんの中身を整理したり、バスを降りる前に身支度整えたり、テーブルがあると何かと便利ですよね。

一方で料金は、やはり大きく差がつくところ。

以前、「高速バスに乗る理由」の第一位は「安いから」というアンケート結果がありました。
そして「ラクシア」より安い高速バスは正直たくさんあります。
それでも、予約サイトの空席状況を見ていると、週末ともなれば、ほとんどの席が埋まっていました。

ということは、それだけの価値があるはず。そこで今回、WILLER EXPRESSの車庫へ取材しにいってきました。

【3】実際に車内を見てわかった、ラクシアの強み

【3-1】一人当たりのスペースは普通の約1.6倍!

まず、前後の間隔がスタンダードタイプより約40cm広い。これはかなり大きいです。

いまお座りになって読んでいる方は、足元を見てください。
つま先から前に40cm先、と考えるとけっこう間隔が広いですよね。

この前後間隔の広さは、リクライニングをどこまで倒せるか、に直結します。
後ろの人との距離が遠いほど、安心して背もたれを倒せます。

また、座面の広さも魅力。
「スタンダード」の横幅約42cmは、一般的なオフィスチェアと同じくらい。
「ラクシア」は左右に握りこぶしをつけたくらい、横幅が広いです。
寝返りの代わりに座る姿勢を変えたい夜行バスでは、この約10cmが大きい!

【3-2】寝心地にこだわったシート


▲各座席に用意されていたシートの説明

一見ふつうの座席。
ところが、座ってみると、なんだかフィット感が違うような……

ざっくりといえば「なんだかいい感じ」なのですが、理由がわからない。
WILLERの方にきくと、驚きの事実が。
背もたれ・座面・腰の3つのパーツで、実は入っているクッション素材が違うのだそう。
それぞれ、寝心地の良さを追求して組み合わされているそうです。

見てください、ヘッド部分のこの分厚さ!

レッグレストもかなりのクッション性。

▲iPhone8と横幅を比べてみました

【3-3】一人ずつに用意された収納スペースと座席間カーテン

天井を見上げてみると、二つのことに気づきました。

一つは、通常は窓側にしかない頭上の収納スペース(電車でいう網棚スペース)が、真ん中の座席列の上にもあること。
これで、窓側列の人だけでなく、中央列の人もコートなどを収納できます。

そしてカーテン。
真ん中の列を含め、全席にカーテンがあるのはラクシアの強みです。

座席間カーテンがついたバスは増えてきましたが、3列独立シートの場合、
左窓側席―中央列席のあいだの通路、
中央列席―右窓側席のあいだの通路、
2列に各1枚のカーテンが設置されているケースが少なくありません。
この場合、中央列の人は、「窓側席の人はカーテンを開けて休憩に出かけたけれど、私は閉めて寝ていたい」という状況がうまれたりします。

ラクシアでは、通路に2枚カーテンを用意。一人ひとりが開け閉めできます。

WILLER EXPRESSは、もともと女性の利用者が多い。
その理由の一つに、「ラクシア」にはありませんが、顔を隠して眠れるカバー”カノピー”というWILLER独自の設備があります。

女性にとって、寝顔を見られるのがイヤ、というのはやはり夜行バスでの大きな悩み。「ラクシア」では、一人ずつ使えるカーテン(MYカーテン)を用意することで、その悩みに応えた形です。

【3-4】木目調の床、優しい色合いのシート。コンセプトは……

次に足元へ目線を移すと、いわゆる”バス”のイメージと異なる、木目調であることに気づきました。

WILLERの方に聞いてみると、ラクシアは女性、その中でも安さだけを最重視するのでなく、快適性もちゃんと確保したい、社会人をイメージしているとのこと。
名前の由来は、「ラグジュアリー」+「楽」で「幸せ」だそうです。

内装でこだわったのは、リビングのソファでくつろいでいるようなイメージ。肘置きには本物の木を用い、床も木目調。シートも記事も、布の質感が心地よく、柔らかなイエローを選んだそうです。

【4】料金

2018年夏の路線・シート別料金表を見てみました。

【4-1】多客期は新幹線に迫る料金に

比較ポイント ラクシア スタンダード
東京⇔大阪間の料金 8,600円~12,400円 3,900円~8,300円

高速バス一台に乗る人数が多ければ、一人当たりの料金は基本的に下がります。
スタンダードの場合は最大で約48名が搭乗でき、そのぶん格安。
ラクシアは最大24名なのでお値段も上がります。

一番安い閑散期(6月平日など)だと2倍以上の開き。
こう見ると、割高感があるかもしれません。
ただ、新幹線は通常14,650円(東京⇔新大阪間 のぞみ指定席)なので、約6,000円の節約効果と、夜の間に移動する時短効果があります。

しかし多客期(連休など)は1万円を超える場合が。
節約効果はほとんどありません。

時間の都合上、夜に移動したい(用事が夜まである、明日の朝早くに予定がある)、なおかつ睡眠はある程度とりたい、という方には、有力な候補になるのではないでしょうか。

【5】乗客はどんな層?

WILLERの方にきくと、乗客は女性が6割前後だそう。
また、快適性重視で少し価格帯が上の部類なためか、社会人の比率が他のバスより高いそう。「ラクシア」企画時に女性をイメージして作った、というコンセプトは見事にヒットしている模様です。

【6】総合評価!こんな人におすすめ、こんなときは要検討

ラクシア外観ここまでご覧になって、どんな感想を持たれたでしょうか。
高速バスを10年近く愛用している一高速バスファンとしては、「到着後に予定があるときは、ぜひ検討したい」バスだと考えています。

正直なところ、「ラクシア」より安い高速バスはたくさんあります。
4列シート(普通の観光バスタイプ)であれば、半額以下で乗れるバス会社もあるでしょう。

ただ、バスに乗る、移動の目的が誰しもあるはず。
それが、「実家に帰るため」だけで、バス降車後は特に用事が無いなら、他のバスでもいいかもしれません。
けれど、バスを降りたあとテーマパークへ行くだとか、就職活動があるだとか、大切な予定があるなら、どれだけきちんと睡眠をとれるかが重要。その点、「ラクシア」は期待できます。

今までいろんな高速バスに乗ったのですが、疲れてしまったという経験も少なくありません。

4列シートで、隣の人が気になってしまった。
カーテン無しのシートで、前の人が触っているスマホの明かりがまぶしかった。
足元が狭くて、ちょうどいい姿勢がなかなか見つからなかった。
レッグレストが無くて、バスを降りたらパンプスが履けないくらい足がむくんでいた。
腰が痛くなりそうで、なんども寝返りを打った……などなど。

そんな経験がある方にはぜひ一度お試しいただきたい、「楽」で「幸せ」を目指したこだわりたっぷりのバスが、「ラクシア」です。

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